広西で「実際神」活動家6人を起訴、“邪教活動”の疑い
eXciteニュース(2008年11月26日 20時11分)
http://www.excite.co.jp/News/china/20081126/Searchina_20081126075.html
検察日報によると、広西チワン族自治区で26日までに、中国政府が邪教(カルト集団)として取り締まっている「実際神」の活動を行ったとして、6人が起訴された。
6人はいずれも、同自治区河池市天峨県の八〓ヤオ族自治郷の出身。2003年に「実際神」に入信し、天峨小区第7教会を設立。毎月3回開かれる信者の集会で、書籍やビデオなども使い、国家の政権を転覆して「神の千年国家」を築くよう扇動したという。(〓はにくづきに「昔」)
検察日報によると、6人は農村部で「文化程度の高くない」住民を勧誘するために遊説活動なども行った。逮捕されたのは、2008年7月から8月にかけてという。
「実際神」はキリスト系の教団で、黒龍江省で「呼喊派」の幹部だった趙維山氏が1989年に設立した。「呼喊派」は米国で発生したキリスト系新興教団のローカル・チャーチの一派で、70年代に中国での布教を始めた。中国では1995年に、カルト集団として取り締まりの対象になった。
趙維山氏は、女性ひとりをイエス・キリストが再び人の姿を取った存在として、「全権」、「能力主」、「実際神」などと呼び、信仰の対象にした。1991年に取り締まりの対象になったが、信者は黒龍江省、河南省、広東省、江蘇省、江西省などに広がり、最大で1万人以上に達したとされる。
中国は仏教、キリスト教、イスラム教、道教、儒教など、主要宗教の信仰は認める一方、それぞれ団体組織を設けさせて統制を行っている。ただし、政治上の問題で中国国内のカトリック教会がバチカンと関係を持っていないなどの矛盾がある。中国共産党・政府は、「いかなる国でも、宗教活動は国家の秩序を乱さない範囲で活動が認められている」などと主張している。
一方、新興宗教は認めない方針を貫いている。そのため、「新興宗教・宗派すべてをカルト扱いしている」との批判がある。キリスト教系宗派については、国家の統制を受けない「地下教会」と信者が相当数存在するとされている。
1992年に活動を始めた法輪功は中国で厳しい取り締まりの対象になり、2001年には同メンバーが天安門広場で集団焼身自殺を行うなどの事件も発生した。(法輪功側は中国当局のねつ造と主張)。(編集担当:如月隼人)