ロサンゼルス・タイムズ紙
1989年1月7日
この記事については「地方教会」の最高責任者吉○氏によるとLAタイムズがその後訂正記事を出したとしている。私は了知していないので、もしそのような記事があるとすれば、ぜひ御提供願いたい。
指導者の息子を除名−危機に脅かされる無名の教会
ラッセル・チャンドラー(L.A.タイムズ紙宗教担当記者)
アナハイムのウイットネス・リーの指導する地方教会活動の内部に高まりつつあった反対意見は、ついに彼の息子の破門と、このあまり知られていない宗派の将来を脅かす統率力の危機とを招来するに至った。
かつての教会員達と現在の教会員達との数次のインタビューによると、同活動を批判の対象とした20ページのパンフレットの匿名による出版は、グループの内部にかつてないほどの論争を誘発し、またいくつかの集会をひどく寂れたものにした。
アナハイムにおける同グループの最近の、叫び合いを含む荒れ模様の集会では、出席した人々によると、会員達と指導者達とのある者との間に意見の食い違いをもたらした。
父親の次に同教会内での実力者たるフィリップ・リーは、10月16日、アナハイムにおけるある集会で、ある会員達によって、またその数週間後には教会の長老達によって除名された、と数名の人たちからタイムズ社宛に通報があった。彼らによれば、この行為は若いリー(息子)が、ある女性会員との不道徳な行為に関係していたという申し立てに基づいた、と言う。
公の発表
ウイットネス・リーあるいはフィリップ・リーのいずれからもコメントは入手できなかったが、アナハイムのある長老は、この除名は、“ある公の発表(から)公式記録に載っている事実だ”と言っている。
一方において、少なくとも一地方の教会、すなわちローズミードにある教会は地方教会活動のテープと出版管理部門であるリビング・ストリーム・ミニストリーから離脱した。
1920年に設立され、1963年に中国から合衆国へともたらされた地方教会は、世界中に約120,000 の教会員を有し、その中の概算 25,000 人は台湾にいると言う。約12,000の教会員は合衆国にある125 の地方教会に所属する。かつては日曜日には 300名を越えたアナハイムにある教会の出席者も、今ではその半分にも満たない、傍聴者は言う。
ウイットネス・リーは、ウォッチマン・ニーとして知られるニー・トゥオ・シェン(Nee Tuo Sheng)の緊密な同労者で、このウォッチマン・ニーは、西欧の宣教師の教えるキリスト教に欠陥があることを確信してこの団体を組織した。彼の新約聖書の解釈に基づいて、ニーは、それぞれの都市には唯一のキリスト教会が存在すべきである、と結論づけた。
1940年代の終わり頃に、中国で共産党が政権を掌握すると、りーは台湾へ渡ったが、ニーは大陸に残った。そして1952年に地方教会はその告発を否認したにも拘らず、彼はアメリカのスパイの容疑で投獄された。にーは釈放されるわずか前に上海の監獄で死亡した。地方教会の教会員達は目だたないホール等で集会をし、また地方教会こそ唯一の神の信仰対象と信じて、つねに他の宗派のクリスチャンを避けている。
教会におけるフィリップ・リーの役割に関する論争とか、申し立てにある地方教会の集会や教会員達の生活に及ぼすウイットネス・リーの高圧的な権力への批判が、ほぼ一年にわたってくすぶっている。それにも拘らず今なお活動的な教会員達はレポーターにその特徴を明らかにすることを拒否した。またアナハイムにある教会の指導的長老のジョン・インガルスは、問題は公衆の目のないところで、内部的に最善に取り扱われたと言い、それ以上のコメントを避けた。
かつての教会員のある者はロサンゼルス・タイムズに、アナハイムにおける感情的な諸集会のテープコピーや、台湾および合衆国の教会員たちに広く流布されている例のパンフレットのコピーを提供した。教会の教義に対して今なお好意的な若干の教会員達は、地方教会に対して一層の自主性を与え、かつ教会の財政報告を入手できるように教会を改革中であると言う。
“偽預言者”
流布された文献は、“Mr.X”−教会に近い人たちが確認するウイットネス・リーは、“偽預言者”であり、教会員達に対して、人間の指導に従うのではなく、聖書そのものに従うように要請している。“Mr.X”は聖書を曲解して次のように教えている。すなわちいかなる時代にも唯一の霊的指導者が存在し、また現時代におけるその指導者はウイットネス・リーである、とそのパンフレットは説明している。
“幻の再考”というタイトルのパンフレットでは、“Mr.X”は数種の疑惑のもたれるビジネスに携わり、また後に倒産したある会社の社長に、彼の長男を据えた、と述べている。
さらに、同パンフレットによると、“Mr.X”は“高ぶり”、彼の“次男”(フィリップ)を訓練せず、また年長の指導者達を若い追従者達と交替させる際に、同労者達や長老達を侮辱した。
同教会の南カリフォルニア諸教会の数人の前長老達は、匿名にする条件で、リー家とリビング・ストリーム・ミニストリーに関する疑惑と混迷は、ワシントン、テキサス及びアリゾナの諸州、並びに海外にも広まっている、と述べた。
混乱はさらに遡って
“多くの人たちが、実際においては正道を踏み外したワンマン的法王制度に反対している”と一人の前長老が電話のインタビューで断言した。
地方教会はまた、当時教会活動の明かな後継者と目されていたマックス・D・ラパポート氏がアナハイムにある教会の最高責任者の地位を辞した1978年に大混乱を経験した。同じ年の初期に、ボストンにある教会の指導者が去って行った。
両者とも一人の人の意見に同調し、かつ期待に沿う行動をなすようにとの強烈な心理的圧迫の事実を述べた。ウイットネス・リーはまれなあるインタビューにおいて、この陳述を否定して、“私たちの教会では私たちは大変自由です。私たちは何を考えようとも自由です。”と、その時言った。